最近、映画を見る前に詳細なネタバレをチェックする人が増えています。映画選びの失敗を防ぎ、時間やお金を無駄にしないためです。
本記事では、そんな方々に向けて『死国』の詳細なあらすじと感想をお届けします。視聴の際の参考にしていただければと思います。また、視聴後に他の人の感想を確認したいときにも役立つ内容となっています。
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この映画は四国、高知県のとある村を舞台に繰り広げられるんだけど、お遍路をテーマにしているんだよ。主人公の比奈子は普段は東京でグラフィックデザイナーとして働いているんだけど、幼いころに過ごした実家の処分を検討するために15年ぶりに故郷の村へ帰って来たんだ。比奈子には莎代里と文也という仲の良かった友達がいてね、村にいた頃はいつも三人で遊んでいたんだよ。親の転勤で比奈子が東京へ引っ越してからはそれっきりになっちゃってて、ずっと二人のことが気になっていたんだよね。まずは莎代里の実家の日浦家を訪れる比奈子。日浦家は代々、死者の霊と交流する口寄せの儀式を行う家系で莎代里はその跡取りだったんだよ。だけど日浦家には誰も居らず、実は莎代里は16歳の時に川で溺れて亡くなっていたということが分かるんだ。
一方で、文也は村役場の職員として働いていて再会することが出来たの。文也は大学を卒業してしばらく都会で働いていたらしくてね、そのせいか少し垢抜けていて、村の他の人たちとは雰囲気が違ってちょっとかっこいいんだよね。子供時代の思い出に浸る二人だったんだけど、文也がちょっとおかしなことを言うんだ。莎代里は川で溺れたんじゃなくて、儀式の最中に悪霊に取り憑かれて亡くなったという噂があるんだって。莎代里が亡くなってから、莎代里の母・照子はずっとお遍路を続けているらしい。莎代里の父は8年前に転落事故に遭って植物人間状態になっていて日浦の家には誰もいなくなっているんだ。莎代里について語る文也はまだ莎代里の死を引きずっているみたいなんだよ、当時二人は付き合っていたんだって。
比奈子は寝ているときに莎代里の姿を目撃するんだ。最初は文也から莎代里の話を聞いたから夢に出てきたのかなって思ってたんだけど、文也も莎代里を見たっていうんだよ。それだけじゃなくて、他の住人たちも亡くなった人の姿を目撃しているの。何が起きているのかを確かめる為、二人は日浦家の調査を行うんだ。そしてこれをきっかけに二人の距離は一気に縮まっていくんだよ。調査の結果わかったことは、お遍路巡りを通常とは逆方向のいわゆる「逆打ち」で行うことにより、この世と死者の国を隔てる結界が弱まるらしいんだ。そして、死者の年齢と同じ数だけ「逆打ち」を行うことによって死者は肉体をもって復活するということなんだ。すでに莎代里の母・照子は15回の「逆打ち」を終えていて、16回目を行っている最中だったの。協力してくれた修験者は言う。「死者を復活させるような邪悪な行いはなんとしても阻止しなければならない」って。
ついに16回目の「逆打ち」が終わり、復活の儀式の末に本当に莎代里が復活しちゃうんだ。だけどね、ちょっと様子がおかしいの。復活して間もないせいか、体をうまくコントロールできていないみたいなんだよ。照子に抱き着いた拍子に力加減が出来ずに腰の骨を砕いてしまい、茫然とする莎代里。見た目は普通の人間なんだけど、やっぱり蘇った莎代里はこの世ならざる者なんだよね。そしてついに、比奈子と文也、莎代里の三人が対面するんだ。文也は今の恋人の比奈子か、蘇った昔の恋人の莎代里か、どちらを選ぶか選択を迫られるんだけど、なんと文也が選んだのは莎代里だったの。そして感極まった莎代里が抱き着いた拍子に今度は文也の骨を砕いてしまうんだ。そこへ駆けつけてくれた修験者が莎代里を死者の国に追い返そうとするんだけど、莎代里も激しく抵抗する。二人の押し合いは拮抗して修験者は比奈子に協力を求めるんだけど、「生きたい」って叫んでる莎代里を目の当たりにして比奈子は動くことが出来なかったんだ。そこへ文也がやってきて、莎代里もろとも二人で死者の国へ渡ってしまう。一人残された比奈子。修験者の「あんたは生きるがよ」という言葉で映画は締めくくられる。
『死国』は、お遍路を背景に死者の復活を巡るホラー映画。ノスタルジックな風景や音楽と共に、戻らない時間への哀愁が観る者の心に深く染み渡る物語だよ。ホントはうるう年の「逆打ち」は縁起がいいらしいんだよね。
感想
『死国』は1999年公開のホラー映画だけど、単なる怖さ以上に、切なさや哀しみが強く感じられる作品だよね。四国という舞台や「逆打ち」の伝承を背景に、死者の復活にまつわるストーリーが展開される。この映画は、怖いだけじゃなく、登場人物たちの複雑な感情や過去の関係性といったホラーの枠を超えた人間ドラマが物語に深みを与えているんだ。
まず、舞台が四国というのがポイント。四国はお遍路の巡礼で有名な場所だし、自然と信仰が結びついた神秘的なイメージがあるよね。四国には修験道の伝統が今も根強く残っているし、地元の人たちにとっては神秘や霊の存在が特別なものじゃない。だから、口寄せや結界、修験者といったスピリチュアルな要素が入っても全く違和感がないんだ。
そして、田舎の閉鎖的な村や、古くからの儀式が残る土地で展開される物語は、どこか過去に取り残されたような哀愁を感じさせるんだ。このノスタルジーがあるからこそ、莎代里や比奈子たちの過去の友情がより一層切なく感じられる。山や川、緑に囲まれた田舎町の風景が、美しいだけでなく、どこか過去に閉じ込められているような印象を与えるんだ。現代社会と少し距離を置いたこの田舎の雰囲気が、三人の過去の友情や思い出にリンクしていて、どこか取り返しのつかない切なさが漂っているんだよね。
莎代里もかわいそうなんだよ。幼い頃から家業に従事させられ、霊媒師としての運命を背負って生きてきた。でも、彼女自身はその運命を全く望んでいなかったんだよね。普通の少女として自由に生きたかったのにそれが叶わず、母親・照子の期待に縛られながら成長し、その結果儀式の最中に命を落としたとも言われている。
確かに、莎代里自身も生き返りたいと思っていたのかもしれない。だけど、復活の儀式は莎代里の意志とは関係なく照子が独断で行っているんだよ。そして程なくあの世に送り返される莎代里。彼女って、生きてる頃も死んだ後も運命に翻弄され続けてる。彼女自身の人生はどこにあったんだろう?そう考えると莎代里は「怖い幽霊」なんかじゃなく、ものすごく哀れで同情せずにはいられないキャラクターなんだと思う。
文也の選択や行動は、本当に複雑で一筋縄ではいかない部分があるよね。彼の立場を考えると、莎代里と比奈子という二人の女性の間で揺れ動く感情が非常に難しいところなんだ。
まず、文也の態度からは、彼がに莎代里対する未練を抱えていることが見て取れるんだよね。彼は確かに比奈子に対して惹かれていて、二人は一時的に身体を重ねるんだけど、それでも最終的に彼が選んだのは莎代里だと言える。文也は比奈子を愛していたかもしれないけど、莎代里への強い未練や責任感が彼を引き戻したんだと思う。文也が莎代里と一緒に死者の国に還ることを選んだのは、彼女を一人であの世に送り返すことができなかったからとも考えられる。
一方で、比奈子を守るために自ら莎代里と共に消える道を選んだとも解釈できる。彼が自ら莎代里の側に残ることで、比奈子を現実世界に解放し、彼女が正常な人生を送れるようにしたとも言えるんだ。彼は莎代里に対する愛情と比奈子に対する責任感の間で葛藤しながら、最終的に二人を救うために自分を犠牲にしたという見方もできる。
文也の行動が、男女の愛情の枠を超えて「過去との決別」や「未練からの解放」といったテーマを象徴しているのかもしれないね。彼が選んだ道は、単純に愛した女性を選ぶというものではなく、過去に対する責任を取る行為だったのかもね。この点が、この映画の人間関係をより複雑で考えさせられるものにしているんだと思う。
だから、文也が比奈子を捨てたのか守ったのか、莎代里を選んだのか愛していたのか、その答えは一つじゃないんだよね。それぞれのキャラクターの内面に踏み込めば、どちらの解釈も成り立つし、それがこの映画の魅力であり、深みでもあるんじゃないかな。
『死国』は、ホラー映画としての怖さももちろんあるけど、それ以上に人間関係や過去に対する後悔、執着といった感情が物語の核になっている。派手なジャンプスケアが少ない代わりに、じわじわと精神的な恐怖を積み重ねていく作品。莎代里というキャラクターは、単なる恐怖の象徴ではなく、家族の期待に押しつぶされ、自由を求めて苦しむ少女の悲劇を体現しているんだ。彼女があの世へ還った後も、その哀しさは消えることなく、観る者の心に重く残る。だからこそ、この映画は単なるホラーを超えた深い余韻を残す作品になっているんだと思うな。
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