最近、映画を見る前に詳細なネタバレをチェックする人が増えています。映画選びの失敗を防ぎ、時間やお金を無駄にしないためです。
本記事では、そんな方々に向けて『アイアムアヒーロー』の詳細なあらすじと感想をお届けします。視聴の際の参考にしていただければと思います。また、視聴後に他の人の感想を確認したいときにも役立つ内容となっています。
配信状況
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主人公の鈴木英雄(ひでお)は、名前こそ「英雄」だけど全くヒーローじゃない、ただの冴えない漫画アシスタントなんだ。自分の作品を世に出す夢を抱きながらも、現実は厳しく、仕事もプライベートもパッとしない日々を送っているの。同棲している彼女のてっこには「ちゃんとした仕事を見つけて」と呆れられる始末。そんな彼には少し珍しい特技があって、それが「射撃」なんだよね。ちゃんと許可を得てクレー射撃用の銃を所持しているんだけど、その銃が彼の心のよりどころにもなっているんだ。ある日、てっこと喧嘩してアパートを追い出されてしまった英雄。彼は翌日、仲直りの為にてっこの元を訪れるんだけど、豹変して凶暴化したてっこに襲われてしまうの。実は彼女は「ZQN(ゾキュン)」と呼ばれるウイルスに感染していたんだ。ZQNに噛まれたものはZQNになってしまう、いわゆるゾンビみたいなやつなんだ。
命からがら、なんとか逃げだした英雄だったんだけど、外の世界は一変してしまっていたんだ。街はZQNであふれかえり、凶暴化した人々が次々と他の人間を襲う姿を目の当たりにした英雄は、とにかく逃げるしかないと決意する。慌てて愛用の銃を手に、何とか生き延びるための行動を開始する。途中で出会った高校生の比呂美と一緒に、富士山にはZQNがいないという噂を頼りに富士山を目指すんだ。出会ったばかりの二人なんだけど、結構気が合うみたい。、二人の間には少しずつ信頼が生まれていくんだよ。だけどね、比呂美はすでにZQNに感染していたの。葛藤の末、発症直前の比呂美から逃げ出した英雄だったんだけど、別のZQNに遭遇し襲われてしまう。そこへ現れた比呂美がなんとZQNをやっつけてくれるんだ。彼女は他のZQNとは違って完全には感染していない、半感染のような状態だったんだ。虚ろで自我があるかもわからないけど、人は襲わず、英雄の後をずっとついてくるんだ。
英雄は比呂美と行動を共にし、富士のふもとのアウトレットパークへと辿り着く。ここでは生き延びた人々がアウトレットパークの屋上でバリケードを築き生活していたの。比呂美のことは病人ということにして、ZQNであることは隠した英雄だったんだけど、屋上のコミュニティは二人のことを迎え入れてくれたんだ。ここでは人々は協力し、力を合わせ生き延びているように見える。でもそれはみせかけに過ぎなかったの。リーダーの伊浦は物腰は柔らかいんだけど、彼は二面性のある人物で本当の目的は英雄の持っている銃だったんだ。英雄は銃を取り上げられてしまった上に、比呂美がZQNであることがバレてしまう。比呂美はボウガンで撃たれてしまうんだけど、幸いにも致命傷にはならず、看護師の藪が比呂美をかくまってくれるんだ。逃げるなら協力すると申し出てくれた藪だったんだけど、銃を失ってしまった英雄の心はもう折れてしまっていたの。英雄は比呂美を藪に託し、食料調達部隊として動員されZQNの蔓延るアウトレット地下へと突入することになる。
食料調達部隊は順調に食糧庫に辿り着くんだけど、伊浦の裏切りに合いZQNに包囲されてしまう。ロッカーに隠れた英雄は恐怖に怯え身動きが取れなくなってしまうんだけど、そこへ藪から助けを求める無線が入ってくるんだ。バリケードが突破され屋上のコミュニティは藪と比呂美以外全滅してしまった。二人の救助に向かうため、勇気を振り絞り駆け出した英雄はなんとかZQNの包囲網を突破するんだ。途中で愛用の銃を回収した英雄は二人と合流するんだけど、彼女たちはまさにZQNに襲われているところだったの。そこへ、今まで決して発砲することのなかった英雄の正確無比な一撃がZQNに炸裂する。ZQNってほんとにしぶといやつらなんだけど、この時の英雄は一発でやっつけちゃうんだよね。そこからは大量のZQNが押し寄せてくるんだけど、英雄は二人を守るため、ありったけの弾を撃って撃って撃ちまくるの。激しい戦いの末に二人を守り切った英雄はまさにヒーローと呼ぶにふさわしい存在になったんだ。三人は、伊浦が脱出のために準備していた車に乗ってアウトレットパークを後にする。この先どんな困難が待ち受けているかはわからない。だけど、今まで何者にもなれなかった英雄は、これから自分がどうするべきか答えを見つけたんだと思うよ。
『アイアムアヒーロー』は、冴えない日常を送る英雄が、次第に本当のヒーローとして目覚めていく姿を描いた物語。平凡で何の取り柄もなかった彼が、誰かを守るために立ち上がる姿に感動するんだよね。ZQNの描写もすごくリアルで迫力があるから見応えがあるんだよ。ただ、結構グロいシーンが多いから苦手な人は気を付けてね。
感想
『アイアムアヒーロー』は、ゾンビ映画でありながら日本独特のリアリティと深みがあって、ただのアクションホラーでは終わらない面白さがあるよね。原作ファンには、再現性の低さやキャラクターの描かれ方に賛否があるかもしれないけど、映画単体として見れば十分に完成度の高いエンターテインメント作品だと思う。
物語は、冴えない漫画アシスタントの鈴木英雄が、突如発生した「ZQN(ゾキュン)」というゾンビ化するウイルスのパンデミックに巻き込まれ、生き残るために逃げまわるという内容。ここでの鈴木英雄がまさに「凡人」で、最初は全くヒーローらしくないんだよね。自分に自信がなくて、恋人にも見放され、銃を持っていても使えない。そんな「何者にもなれない男」が、極限状態の中で少しずつ自分を変え、最終的にはヒーローとして覚醒していく。これが映画の大きなテーマでもあるんだ。
映画は、原作の内面描写を大胆にカットして、その分アクションやサバイバルシーンに振り切っているけど、これは映画としての正解だと思う。限られた尺の中で、ゾンビ映画としてのスリルやスピード感を最大限に引き出していて、観客を飽きさせない作りになっている。特に、序盤で英雄が街を逃げるシーン。まだ周りの人たちが異常事態に気付かず、次々とZQNに襲われていく様子は圧巻で、まるで『ワールド・ウォーZ』を彷彿とさせるような、まるで洋画の大作のような迫力があるんだよね。
ZQNのビジュアルも本当に素晴らしかった。日本のゾンビ映画って、予算の関係かCGや特殊メイクがチープに見えることも多いけど、『アイアムアヒーロー』では、ZQNのデザインや動きが非常に凝っていて、リアルで不気味。特に面白いのが、ZQNたちが人間だった時の記憶や習性を持ち続けている点。元アスリートのZQNは異常な速さで走り、サラリーマンのZQNは営業電話をしているなど、ただのゾンビとは一味違う個性が描かれている。生きている時も、死んでいる時も、結局同じような行動をとるって、どこか切ないし、少し皮肉っぽいメッセージがあるんだよね。
そして何と言っても、終盤の鈴木英雄の覚醒シーンは本当にしびれる。ずっと持っていた銃を使えずにいた彼が、ついに仲間を守るために引き金を引く瞬間。これにはただZQNを倒す以上の意味があ。崩壊した世界でも銃刀法に縛られて銃を撃てなかった小心者の彼が、そのルールを超えて、仲間を守るために行動する。これまでの人生で何者にもなれなかった彼が、ついに「ヒーロー」になる瞬間なんだよね。この成長が映画全体を通して最も感動的な部分で、観客としてもカタルシスを感じる瞬間だと思う。
大泉洋の演技が、本当にハマっていたよね。彼の演じる英雄は、最初は冴えないし自信もなくて、まるで「本当にこいつがヒーローになれるの?」って思わせるくらいのダメ男。でも、そこが大泉洋の魅力なんだ。もともとコメディアンとしての一面も持っている彼だからこそ、冴えない日常を生きる「凡人」感がリアルに伝わってくる。
特に、彼の微妙な表情や、パニックに陥った時のリアクションがすごく自然で、「こんな状況に自分がいたらこうなりそう」って思わせてくれるんだよね。ZQNに追い詰められた時の焦りや、銃を持っていながらも使えない葛藤なんかが、まさに大泉洋らしい演技で説得力を持って描かれている。
映画の後半、英雄が自分を奮い立たせて銃を撃つシーンでは、大泉洋の演技が一段と光る。ヒーローになる瞬間が派手ではなく、静かに決意を固めるように描かれているんだけど、その静かな決意がすごく強く響く。彼はただ強いヒーローではなく、弱さを抱えたまま戦う「人間味のあるヒーロー」を見事に演じているんだ。
この役は大泉洋だからこそリアルに感じられたし、鈴木英雄というキャラクターに感情移入しやすくなっていたと思うよ。
ちょっと気になったのは、有村架純が演じる早狩比呂美。彼女はZQNに半感染しながらも生き延びる重要なキャラクターなんだけど、映画ではその「半感染状態」の異常性や危うさが少し弱く感じたんだよね。有村架純の演技は素晴らしいけど、彼女はちょっと可愛らしすぎてその役柄が持つべき儚さや不安定さが十分に表現されていなかったように思う。もっと彼女の不気味さや、ゾンビになりかけている危機感が表に出ていたら、緊張感がさらに高まったんじゃないかなって思う。
とはいえ、全体として『アイアムアヒーロー』は、これまでの日本のゾンビ映画にはなかった「大作感」があって、見応えのある作品に仕上がっているよね。映像のクオリティ、アクションシーンの迫力、そしてゾンビホラーの中にしっかりと人間ドラマを描き込んでいる点で、邦画としては非常に珍しい成功例だと思う。原作と違う部分は多々あるけど、映画としてはストーリーがまとまり、ゾンビ映画としてのエンタメ要素を存分に楽しめる作品だった。
結局、原作がまだ完結していない時期に映画化されたわけだけど、映画版はその中でも一番おいしい部分、つまり鈴木英雄が「ヒーロー」になる瞬間をしっかり切り取っている。これが、映画単体としての完成度を高めている理由なんじゃないかな。ゾンビ映画としてのスリルと、人間の成長物語としての感動を両立させた『アイアムアヒーロー』は、邦画のゾンビ映画の中でも特におすすめの一本だと思うよ。
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