最近、映画を見る前に詳細なネタバレをチェックする人が増えています。映画選びの失敗を防ぎ、時間やお金を無駄にしないためです。
本記事では、そんな方々に向けて『Pearl パール』の詳細なあらすじと感想をお届けします。視聴の際の参考にしていただければと思います。また、視聴後に他の人の感想を確認したいときにも役立つ内容となっています。
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映画情報
- 原題: Pearl
- 公開年: 2022年
- 上映時間: 102分
- 製作国: アメリカ
- 監督: タイ・ウェスト
- 主要キャスト: ミア・ゴス、デヴィッド・コレンスウェット
あらすじ
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物語の舞台は1918年のアメリカ、テキサスの田舎町。主人公のパールは両親と農場で暮らしているんだ。農場に婿入りしてきた夫のハワードは戦争に行っちゃって、連絡が取れなくなっちゃってるんだよね。お父さんは病気で体をほとんど動かせないし、お母さんのルースはパールに対してとても厳しいの。お父さんの介護と家畜の世話に追われる毎日。さらには戦争と、世界的に流行しているスペイン風邪の影響で生活は苦しいし、外出も自由にできない。いつか華やかなダンサーになってこの農場を出ていく…そんな夢を抱くパールなんだけど、現実は閉塞感でいっぱいなんだよね。そんなある日、ルースの目を盗んでこっそり町の映画館に出かけたパールは、スクリーンに映るダンサーたちに自分を重ねて胸をときめかせるの。そして、そこでイケメンの映写技師に出会うんだよ。パールの夢を聞いた彼は「君ならきっとスターになれる」と励まし、次はタダで映画を見せてあげるよとパールを誘う。束の間の交流にパールはすっかり舞い上がってしまうんだ。
ある日、夫ハワードの妹ミッツィーから、七つの都市を巡回公演するダンスチームのオーディションがこの町であると聞いたパール。これはチャンスとパールは大喜び。だけどルースが反対するのは目に見えてるから、何とか説得しようと機を伺うの。映写技師の彼に相談したら、人生一度きりなんだからやりたいことをやるべきだと言ってくれた。ところが、映画館に行ったことがバレちゃって、ルースは大激怒。パールを小屋に隔離すると言い出すの。パールは覚悟を決めてオーディションのことをルースに話すんだ、一度でいいからチャンスを頂戴ってね。だけどルースは聞く耳を持たなかったの。二人は激しい口論の末もみ合いになり、パールは勢い余って意図せずルースを暖炉の火の方へ押し込んでしまった。ルースは一瞬にして全身に大火傷を負い、そのまま意識を失ってしまうんだ。そして、ここからのパールの狂気が一気に加速していくの。彼女は瀕死のルースを地下室に放り込み、介護が必要な父を放置して家を飛び出し、映画館の映写技師の元へ駆け込んだ。彼と一夜を過ごし、自由への第一歩を踏み出したつもりになっていたの。翌日、彼に家まで送ってもらうんだけど、放置してきた家の中はひどい有様だった。異様な様子を察した彼はお茶を濁して帰ろうとするんだけど、その態度にパールは豹変してしまう。逃げ出そうとする技師をピッチフォークで刺殺し、死体を池のワニに食べさせちゃうんだ。
そして運命のオーディション当日、赤いドレスを纏ったパールは、旅に出る準備をしていたの。オーディションに合格する気満々でそのまま家には戻ってこないつもりだったんだ。だけどお父さんを一人、家に置いていくわけにはいかない。だから、彼女はお父さんを窒息死させてしまった…。ミッツィーと共に参加したオーディション。パールは人生を賭けたそのステージで渾身のダンスを披露するの。今までで一番うまく踊れた、確かな手ごたえを感じたステージだったんだ。だけど審査員の評価はまさかの「不合格」。これくらい踊れる人はいくらでもいるんだって。絶望して泣き崩れるパールをミッツィーが慰めてあげるんだけど、次第にパールの異様さに気づき恐怖を感じ始めるの。パールは胸に秘めている思いを全てミッツィーに打ち明ける。ハワードへの不満や自身の浮気。父と母を手に掛けてしまい後悔していること。ミッツィーは背筋が凍り付き逃げ出そうとするんだけど、そこでパールに「おめでとう、合格したんでしょ?」って言われるの。否定するミッツィーだけど、パールは聞く耳を持たない。逆恨みと、口封じのために斧を手にミッツィーに襲い掛かり何度も切りつけるパール。
そして物語のラスト。パールは母と父の遺体をダイニングテーブルに座らせ、腐敗した料理を並べ、あたかも幸福な一家団欒のシーンを演じているの。そんな異常な光景の中、ついに戦争から夫のハワードが帰宅する。彼が目にしたのは、地獄のような惨状だった。パールは夫に向けて涙ぐみながら「待ってたわ、おかえりなさい」と笑みを浮かべる。その表情の中には狂気だけでなく、後悔や安堵、あるいは懺悔、あらゆる感情が込められていたの。そして映画は幕を閉じるんだ。
映画『パール』は、夢に挫折し、抑圧された心が狂気に染まっていく様子を鮮烈な映像とブラックユーモアを交えて描いた傑作だよ。特に主演ミア・ゴスの演技が圧巻で、パールの純真さや不気味さ、そして狂気を見事に演じ切っているんだ。ラストシーンで見せる微笑みは鳥肌ものなんだよね。
感想
『パール』って、カラフルでノスタルジックな雰囲気の中で少女の狂気を描いた異色ホラー映画なんだけど、正直もう全編ミア・ゴスのワンウーマンショーって感じだった。とにかくミア・ゴス演じる主人公パールの存在感が凄まじくて、彼女から目が離せないんだよね。田舎の農場で「スターになりたい!」って夢見る可憐な少女かと思いきや、その裏にとんでもないヤバさを秘めているサイコパスで、ミア・ゴスはそんな危険すぎるパールを、生々しいまでに演じ切っている。
冒頭からパールの危うさは全開。農場で動物たち相手にミュージカル映画みたいに歌って踊る姿はちょっとディズニーっぽい雰囲気さえあるんだけれど、迷い込んできたガチョウを突然ピッチフォークで串刺しにしてワニのエサにしちゃうシーンには「ちょ、いきなり何してんの!?」って心の中でツッコんじゃった。ほんの数分前まで夢見る少女っぽく微笑んでいたのに、一転して無表情で小動物を殺す狂気…この振れ幅の演技がまず衝撃なんだ。ミア・ゴスの目つきや表情がスイッチが入ったように豹変するから、「この子やっぱり普通じゃないぞ」って序盤で一気に分からせてくれる。
パールというキャラクターの子供じみた自己中心っぷりが凄いんだよね。彼女は自分の願望しか頭にないし、そのためなら他人の命なんてどうでもいいという危うさがある。例えば、お母さんとの夕食シーン。厳格なお母さんに夢を否定されてパールがブチ切れる場面なんだけど、パールがお母さんを暖炉に突き飛ばしてしまい火が燃え移ってしまう展開には思わず息を呑んだよ。暖炉の炎に包まれたお母さんは瀕死の重傷。一刻も早く治療をしなきゃいけないそんな母親を地下室に放り込んで閉じ込めちゃうんだ。このときのパールは動揺しているようにも見えるけど、どこか現実感がなくて、一線を越えちゃった異常さが滲み出ていた。
オーディションのシーンも忘れられない。ここでパールは「自分こそがスターになるべき人間」と信じ切っているから、めちゃくちゃ気合を入れてダンスパフォーマンスを披露するんだけど…実際は微妙にずれているんだよね。踊りも表情も何かが絶妙にズレている。でも本人は気合満点だから、観ていてものすごく痛々しい。ミア・ゴスがこのズレ感をリアルに表現しているせいで、「やめてくれ…」って気持ちと、「ずっと見ていたい」という謎の感情が入り混じって、目が離せなくなっちゃう。この「痛々しさ」こそが、この映画の魅力を引き立てていると思う。
オーディションに落ちた後の、パールが義妹ミッツィーに向けて語る長い独白シーンも強烈だった。パールはそこで自分の不遇や孤独感を吐き出すんだけど、内容をよく聞くと、全部自分本位でめちゃくちゃ勝手な言い分ばかりなんだよね。「私っておかしいのかな?」って自問するパールの姿は確かに少し切ないけれど、やっぱり異常でしかなくて、とても共感できるようなものじゃない。ただ、それなのになぜかパールの姿に目が離せなくなる。この惹きつけられる理由は明確には説明できないんだけど、ここでのミア・ゴスは本当に凄い!カメラがずーっとパールの顔をとらえたまま約5分間ノーカットで続く長回しなんだけど、その間の彼女の表情の移り変わりと感情の爆発力たるやまさに鬼気迫るものがあった。寂しさ、不安、嫉妬、怒り…いろんな感情が次々と溢れ出て止まらなくなる様子に圧倒されて画面にくぎ付け。
その後、パールが赤いオーディション衣装のままミッツィーを斧で追いかけるシーンも強烈だった。ミッツィーが必死に逃げる姿を、カメラがずっと長回しで追い続けるから緊張感が半端ないんだよね。どんどん追い詰められていくミッツィーと、淡々と狂気をまとって追いかけるパール。この長回しの撮影方法は、パールの怖さを何倍にも増幅させていたよ。映写技師の殺害シーンも衝撃的だった。ピッチフォークを突き刺す瞬間を、少し離れた位置から捉えたカメラの視点が絶妙で、まるで傍観者の立場になったような不思議な感覚があった。突き刺す瞬間を生々しく近くで見せるんじゃなくて、あえて引きのアングルから見せることで無機質で淡々とした感じが出ていて、不気味さとシュールさが一気に高まっていた気がするんだ。このシーンの演出は本当に上手かったと思う。
そしてラストシーン、ここまで振り切ったホラー映画でもこんな余韻の残し方ある!?ってくらい忘れがたいエンディングだった。戦地から帰ってきた夫ハワードが目にしたのは、食卓に座るパールと腐敗した死体の“家族”。シュールで恐ろしい光景なんだけど、しかし本当の衝撃はここから。ハワードに「おかえり!」と満面の笑みを向けるパールの顔が、そのままエンドロールの間ずっと映し出されるんだよ!このミア・ゴスの狂気の笑顔、ヤバすぎる。笑顔と言っても目は笑っておらず涙がボロボロ。頬は引きつって痙攣し、まばたきもほとんどしないから、観ているこちらは不安になって「早くカットかけてあげて!」と叫びたくなるほど。エンドロール中の約3分間の間、パールは笑顔を崩さず涙だけポロポロ流し続けて…その姿が怖いのにどこか哀れで、何とも言えない余韻が残った。こんな狂気と悲哀が同居した笑顔、他に見たことないよ。本当にミア・ゴスの怪演に脱帽だよ。
パールというキャラクター自体には全く共感できないし、彼女の行動は身勝手すぎて擁護できないよ。でもミア・ゴスの演技にはそれでも引き込まれるんだ。パールの壊れたメンタルや危うい魅力をここまで体現したミア・ゴスは凄い!彼女の怪演を観るだけでも、この映画を観る価値があると断言できるよ。ホラー映画でありながら、まるで悲しい喜劇のようでもあり、血まみれのサイコパスが主役なのに目が離せない。『パール』はそんな不思議な魅力に満ちた作品だったよ。何より、ミア・ゴスという女優の底知れぬ才能に圧倒されること間違いなしの一本だね!
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