最近、映画を見る前に詳細なネタバレをチェックする人が増えています。映画選びの失敗を防ぎ、時間やお金を無駄にしないためです。
本記事では、そんな方々に向けて『富江』の詳細なあらすじと感想をお届けします。視聴の際の参考にしていただければと思います。また、視聴後に他の人の感想を確認したいときにも役立つ内容となっています。
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主人公の月子は写真の専門学校に通って一人暮らしをしているんだ。高校生の時に交通事故に遭って、その頃のことなんにも覚えていないんだって。彼氏や友達の前では明るく振舞おうとしているけれど、その記憶障害が月子の心に暗い影をおとしちゃってるんだよ。実家ともなんかちょっとギクシャクしちゃってるし、不眠症になってて今は心療内科に通ってる。そこの女医の細野先生がサバサバしてて相談しやすくて今の月子の心のよりどころになってるみたいだよ。毎晩自分が血まみれになっている夢を見るという月子に対して細野先生は催眠療法を行うんだけど、治療の中で月子から「トミエ」という名前を聞き出すんだよ。でも月子はその名前に全く覚えがないんだ。
そんな細野先生のもとに、刑事さんが事件の捜査の協力を求めてやってくるの。実は、月子の記憶障害の原因は交通事故じゃなかったんだ。月子の当時の友人の「川上富江」が月子の部屋で殺された事件が原因だったんだって。そして今起きている事件でも「川上富江」という女子生徒が失踪しているらしい。この二つの事件に共通することは二人の「富江」の特徴が一致することと、同級生が殺害したっていう自供はあるんだけど遺体が見つからず真実は闇の中っていうことなんだ。
そして月子のアパートの下の階に新しい住人が引っ越してきたんだけど、なんだかおとなしそうな男の子で浪人生なんだって。その浪人生がこっそり「何か」を飼ってるんだけど、その「何か」は急激に成長して少女の姿になるの。そしてさらに成長して大学生くらいになるんだよね。この少女、性格はきついけど普通にしゃべったりするし普通の人間に見えるの。逆に浪人生の方はさ、どんどん精神的におかしくなって少女に捨てられちゃうんだ。少女はファミレスでアルバイトを始めるんだけど、履歴書の名前には「川上富江」って書かれてる。この「富江」はすごい美人っていうのもあるんだけど、何か魔性の力みたいなのを持ってるとしか思えなくてね。男性をめちゃくちゃ引き寄せる上に、関わった男性はみんなおかしくなっちゃうんだよ。
「富江」のバイト先の店長と先輩たちは彼女を巡って殺し合いをして死んでしまうの。さらに「富江」は月子のアパートの大家さんと月子の彼氏に根回しをして月子を拉致しちゃうんだ。二つの事件の「富江」と今目の前にいる「富江」はやっぱり同一人物だったの。富江は死んでしまっても体の一部からまた再生することが出来るらしい。浪人生がアパートでお世話していたのは富江の生首だったんだよ。富江は三年前、秘密を知った月子にバケモノ呼ばわりされたことと、月子がそれを忘れていることが悔しくてそのことを思い出させようとしていたの。月子に詰め寄る富江。そこに飛び込んできた月子の彼氏が富江を滅多刺しにしちゃうんだけど、それでもやっぱり富江は死ななかったんだ。逃げる月子に対して「あなたは私で、私はあなた」という意味深な言葉を投げかける富江。だけど月子は富江を燃やしてしまうんだ。それから平穏に日々を過ごしていた月子だったんだけど、自分がだんだんと富江に似てきていることに気が付いて映画は幕を閉じるんだ。
「富江」は不死身の美少女が巻き起こす物語。富江の狂気が恐ろしくもありどこか切なくもあるんだ。最後のシーンは解釈が難しい部分もあるんだけど、そういうところもまた奥深いんだよね。富江役の菅野美穂の体当たりの演技も見どころだよ。
感想
1999年公開の映画『富江』は、ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二の作品を基にしているんだけど、映画ならではの独特なアプローチが光っているんだよね。原作では富江は不死の美少女として何度も生き返り、男たちを狂わせる存在として描かれているけど、映画ではそのテーマを活かしつつも、主人公の月子を中心に物語が展開する。この映画は、富江の不可解さや謎めいた魅力を描きながら、サスペンス要素を強調した作品に仕上がっているんだ。
まず、映画の序盤は月子の視点から進行する。彼女は記憶喪失に苦しみ、過去に何が起きたのかを探ろうとしている。その中で浮かび上がる名前が富江だよね。この導入部分はまさにサスペンスそのもので、月子が少しずつ自分の記憶と向き合いながら、富江という謎めいた存在が彼女の人生にどう関わっていたのかを探る展開が続く。このパートは、ホラー映画というよりもむしろ心理サスペンスのような作りになっていて、観客にじわじわと不安感を植え付けていくんだ。
もちろん、原作のファンからすれば、富江がもっと前面に出ることを期待していたかもしれないけど、映画版のアプローチは富江というキャラクターの新しい一面を見せる試みとして成功していると思うんだ。映画版は原作とは異なる視点から富江を描きつつ、その不気味さや恐怖感を損なうことなく、新たなサスペンスの要素を加えている。これは、原作のファンであっても映画ならではの楽しみ方ができるんじゃないかな。
富江の最大の特徴は、何度殺されても生き返るその不死性にあるんだけど、作中ではその背景が全くと言っていいほど説明されていないんだよね。でも、それがこの作品の魅力をさらに高めていると思うんだ。普通なら、呪いや超自然的な力が原因として語られるところだけど、伊藤潤二の『富江』はそういった安易な説明をあえて避けている。その結果、富江の存在がますます異質で、理解を超えた恐怖として感じられるんだ。
富江というキャラクター自体、ただの悪役やモンスターではなく、人間味があるところが面白い。彼女は男たちを魅了し、最終的には彼らを破滅に追いやるんだけど、その運命から彼女自身も逃れられないんだ。何度も殺され、何度も復活するそのサイクルは、ある意味で永遠に苦しみ続ける運命を背負っているようにも見える。だからこそ、富江にはどこか哀れさや孤独感が漂っていて、ただ怖いだけのキャラクターではなく、観る者に複雑な感情を抱かせるんだよね。
富江が男たちを誘惑し彼らを狂わせるのは、確かに彼女自身の選択でもあるんだけど、彼女が持つ超自然的な魅力はほぼ呪いのようなものなんだよね。彼女が意図的に人々を破滅へ導いているというよりも、彼女の存在そのものが破滅的な結果を招くという感じ。つまり、富江自身もその運命から逃れられない囚人のような存在なんだと思うんだ。彼女が刺されたり首を切られたりするのは、自業自得のように見える部分もあるけど、それでもどこか同情してしまう面もあるんだよね。富江というキャラクターは単なるホラーの象徴ではなく、人間の欲望や恐れ、そして避けられない運命を反映した存在なんだと思う。だからこそ、彼女の行動やその結末には複雑な感情を抱かせるし、それが彼女の物語の奥深さを感じさせるんだと思うんだ。
富江と月子の関係って、終盤に向かってますます複雑になっていくよね。「私はあなたで、あなたは私なの」っていう富江のセリフは特に印象的で、富江が月子に対して単なる復讐心や嫉妬以上の感情を抱いている可能性を感じさせるんだ。確かに、月子に対して酷いことをしているから恨みがあるようにも見えるんだけど、月子に対する何かしらの愛情さえも感じさせるようなシーンもある。ここでの富江の言葉は、二人がただのライバルや敵対者というよりも、ある種の「同一存在」のような関係であることをほのめかしているようにも受け取れるんだ。
終盤の解釈は観る人によってさまざまだと思う。富江と月子が同一の存在であるのか、富江が月子に対して抱く感情は何なのか――それらはすべて曖昧なまま終わるけど、それがこの映画の魅力でもある。はっきりとした答えがないことで、観る者の想像力を刺激し、何度も見返したくなる作品になっているんだ。
また、この映画で特筆すべきは、まだ若手だった菅野美穂が富江役を演じている点だよね。彼女の演技は当時まだ荒削りな部分もあったけど、富江の狂気と美しさを体当たりで表現していて、観ていて引き込まれるものがあった。特に、富江の持つ不気味さや妖艶さを、彼女なりに全力で演じているのが伝わってくるんだ。その演技が完璧に計算されたものではないぶん、富江というキャラクターの不安定さや謎めいた部分がうまく引き出されていたと思うよ。
映画版『富江』は原作とは異なる解釈やアプローチを取りながらも、その不気味さと謎めいた雰囲気をしっかりと描いている。そして、菅野美穂の演技や終盤の解釈の余地が、この映画をただのホラー作品以上に魅力的なものにしているんだと思う。
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