映画『シックス・センス』あらすじと感想、ネタバレあり

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映画情報

• 原題: The Sixth Sense
• 公開年: 1999年
• 上映時間: 107分
• 製作国: アメリカ
• 監督: M・ナイト・シャマラン
• 主要キャスト: ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント

あらすじ

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小児精神科医のマルコム先生は、仕事に誇りと情熱を持っていたんだ。時には仕事優先で家庭を顧みないこともあったけど、奥さんのアンナはそんな彼をよく理解してくれていた。二人の関係はとてもうまくいっていたんだよ。だけどある日、悲劇が訪れたの。かつての患者、ヴィンセント。彼は社会と折り合いをつけることが出来ないまま大人になってしまい、人生に絶望していた。「一人は寂しいから」という言葉を残し、マルコム先生に向けて拳銃を発砲。その後自害してしまったんだ。

衝撃的な事件から一年後。マルコム先生はすっかりプロとしての自信を失っちゃっている。さらにあれ以来、奥さんのアンナとも全然うまくいっていないんだ。冷たいっていうか、完全に無視されちゃうんだよね。そんな時、マルコム先生の前に新たな患者が現れるんだ。少年の名前はコール。いつも何かに怯えたような目をしていて、学校でも「変わり者」と呼ばれて孤立している。お母さんのリンはコールを愛してはいるけれど、息子の奇妙な言動にどう接していいかわからなくなっちゃってるの。そんなコールは最初、マルコム先生に心を開かないんだよね。「あなたは僕を救うことはできない」諦めたような目をしてマルコム先生を拒絶するんだ。だけどマルコム先生が根気強く寄り添い続ける内に徐々に打ち解けていく。

コールは誰にも言えない大きな秘密を抱えていたの。ある日、クラスメイトのイタズラで屋敷のクローゼットに閉じ込められたコールはそこで何者かに襲われる。この事件をきっかけにコールはマルコム先生に秘密を打ち明け、助けを求めるんだ。それは「僕には死んだ人が見えるんだ……」という衝撃的な告白だった。死者の霊たちはそこら中にいて、自分が死んだことに気がついていないらしいの。コールは今までずっと幽霊に怯えて生きてきたんだ。マルコム先生は突然の告白に驚きを隠せず、最初は幻覚か心理的な問題ではないかと疑っていたんだよ。だけど、かつて自分が担当したヴィンセントも同じような訴えをしていたことに気づくんだよね。ヴィンセントとコールはよく似ている。マルコム先生はコールの言葉を真剣に受け止め、少年を救おうと決意したの。そして、怯えるコールに「現れる幽霊たちと向き合って、彼らの話を聞いてみよう」ってアドバイスしたんだよ。

ある夜、青白い顔の少女の幽霊キラがコールの前に現れた。最初は怖くて逃げ出しそうになったけど、マルコム先生の言葉を思い出したコールは彼女の話に耳を傾けるんだ。コールとマルコム先生はキラに導かれ、一本のビデオテープに辿り着く。そこにはキラのお母さんがキラの食事に毒を混ぜる様子が映し出されていたの。ビデオテープを父親に渡して真実を暴く二人。これでキラの無念は晴らされ、彼女は安らかに眠ることができたんだ。

初めて能力を前向きに使えたことでコールは自信を取り戻し、幽霊への恐怖も和らいでいく。クラスメイトとも打ち解け、学校生活への不安も消えた。次にコールは、長い間本当のことを言えずにいたお母さんのリンにも真実を告白しようと決めたんだ。帰りの車の中で「おばあちゃんに会った」と震える声で打ち明け、亡き祖母から母へのメッセージを伝えたの。それはお母さんにしか知り得ない内容で、涙を流しながら息子の言葉を信じて受け入れたんだ。長い間孤独に苦しんできたコールは、ついに母に理解され、二人は抱き合って涙を流したの。そしてコールは最後に、マルコム先生にも「大切な人とは、眠っているときに話してごらん」と優しく助言を送ったんだ。

マルコム先生はコールからの助言を胸に、その夜、自宅で眠るアンナにそっと語りかけたの。すると、アンナは「どうして私を置いていったの？」と言い、その手から結婚指輪が床に転がり落ちたんだ。その瞬間、マルコム先生は自分の指に指輪がないことに気づき、愕然とする。実はマルコム先生は、冒頭でヴィンセントに撃たれたあの日すでに命を落として幽霊になっていたんだ。コールが以前語った「幽霊は自分が死んでいることに気づいていない」という言葉の通り、マルコム先生自身もまさにそうだったんだよ。この瞬間、今までの出来事が一気に彼の脳裏で繋がった。アンナとまともに会話ができなかった理由も、全てが明らかになったんだ。マルコム先生は静かにアンナに「愛している」と囁き、別れを告げる。かつて救えなかった少年を、今度は救うことが出来た。心残りはもうない。そして彼は安らかな笑みを浮かべ、白い光の中へと消えていったんだ。

『シックス・センス』は、幽霊が見える少年と傷だらけの医師が互いを救い合う物語。ラストの衝撃はもちろん、真相を知ってからの二周目で伏線の細やかさに唸ること必至だよ。ホラー好きもドラマ好きも、観終わる頃には不思議と温かい余韻が残るはず。

感想

この『シックス・センス』って映画、初めて観た時の衝撃が今でも忘れられないよね。単なるホラー映画だと思って観始めたら、最後にあんなどんでん返しが待っているなんて、本当に度肝を抜かれちゃったんだ。映画全体に漂う不気味だけど切ない雰囲気と、観終わった後にじんわり胸に残る感動があって、「ただ怖いだけじゃない何かがあるぞ？」って直感したのを覚えてる。

マルコム先生とコールの関係って、本作の核心をなす部分だよね。小児精神科医のマルコムは、心に傷を抱える少年コールと向き合うことで、自分自身の過去のトラウマにも向き合っていく。一方でコールは、自分を真剣に理解しようとしてくれる大人に出会えたことで、徐々に心を開いていく。この二人が少しずつ築いていく絆が本当に温かくて、ホラー映画なのにどこか優しさを感じちゃうところがこの作品の不思議な魅力なんだよね。

演出も本当に巧妙だなと感じる点がたくさんあるよ。例えば、物静かなシーンでは淡い光や静かな空気感が強調されていて、一転して幽霊が現れる場面では息が詰まるような緊張感が漂うんだよね。シーンごとの明暗のコントラストや色彩の使い方にも注目してほしい。シャマラン監督は赤い色を印象的に使っていて、幽霊や超常的な現象に関わるシーンには必ずと言っていいほど赤いアイテムが登場するんだ。言われてみれば、コールのテントや舞台となる教会の扉、そして物語の鍵を握る証拠品なんかにも赤が使われていて、生者と死者の境界を象徴しているように思えるよ。初見では意識しない部分だけど、こういう細かなビジュアルの工夫が作品全体の雰囲気を作り上げていて、何度も観たくなっちゃうポイントなんだよね。

そして何と言っても、この映画最大の見どころはラストの種明かし。マルコム自身が実は死んでいた幽霊だったと分かる場面、あれには本当に鳥肌が立ったよ。コールが「死んだ人が見えるんだ」って打ち明ける有名なシーンがあるけど、実はあの言葉がマルコムにも当てはまっていたなんて…初めて観たときは完全に騙されちゃった。例えば、マルコムは物語の中でコール以外の誰とも直接会話していないし、妻とのシーンでも彼女は一言もマルコムに話しかけていなかったよね。レストランで向かい合うシーンなんか、彼女が寂しそうに独り言をつぶやいて席を立つのを見て、初見では「夫婦仲が冷え切ってるんだなあ」なんて思ってたけど、真相を知った後に見ると「最初からずっと彼女にはマルコムが見えてなかったんだ！」と分かってゾクゾクしちゃった。単なるホラーの驚かせ演出じゃなくて、物語全体がこの結末に向かって丁寧に伏線を張り巡らせてあったからこそ、オチが分かった瞬間に「だからあの時…！」って全てが腑に落ちる快感がある。よくある、不必要な伏線張っておいて伏線回収！っていうような作品とは一線を画しているよね。こういった緻密な伏線回収があるから、再鑑賞するときにも新たな発見があって面白いんだよね。

個人的に一番グッときて泣いちゃうシーンは、終盤でコールがお母さんに自分の秘密を打ち明ける場面。車の中でコールが「僕、死んだ人と話せるんだ」って勇気を出して告白して、お母さんが最初は信じられず戸惑うんだけど、亡くなったおばあちゃんのメッセージを伝えられて次第に息子の言葉を受け入れていくよね？あのお母さんの震える声と涙ながらに息子を抱きしめる姿を見ていると、何度見てももらい泣きしちゃう。ホラー映画なのに親子の愛情というか、心が通じ合う瞬間がこんなにも感動的に描かれているのがすごいところだよね。また、マルコムが自分の死を自覚して愛する妻に別れを告げるラストシーンも胸に締め付けられるものがあるんだ。妻の手から結婚指輪が落ちる演出とか、静かに流れる音楽とともに「愛しているよ」と告げるマルコムの穏やかな表情には思わず涙がこぼれたよ。恐怖と感動が入り混じった締めくくりで、観終わった後しばらく呆然としちゃった。

こうして振り返ってみると、『シックス・センス』って単なるどんでん返しのインパクト頼みの映画じゃないんだよね。確かにあの衝撃的なオチは今でも語り草になるほど印象的だけど、それ以上に作品を支えているのはキャラクターの心情や人間同士の絆から生まれる深い感動だと思うんだ。怖がらせる幽霊たちでさえ、それぞれに哀しみや事情を抱えていて、ただのホラーの「脅かし役」に留まらない存在感がある。観るたびに新しい発見と同時に、人と人との思いやりや後悔の救済といったテーマが胸に響いてくるから、何年経っても色褪せないんだろうね。この映画がもし伏線やどんでん返しの要素を一切持たなかったとしても、それでもやっぱり名作としての地位を確立していたんじゃないかなって思うんだ。

だからこそ、『シックス・センス』は一度視聴した後でも繰り返し観たくなるし、多くの人に長く愛されているんじゃないかな。真相を知った上で二回目を観ると、「よくこんな緻密な映画を作ったなぁ」って感心しちゃうと思う。ホラーが苦手な人でもきっと引き込まれる優しさと感動が詰まった作品だから、機会があればぜひもう一度じっくり味わってみてほしいな。